レプトン杯 ノベルゲームコンテスト 募集テーマ:自由(なんでもOK)

募集期間 : 2009年12月7日 ~ 2010年3月8日

結果発表

受賞作品は審査員の評点合計で決定されますが、今回はプロのシナリオライターと審査をおこなった機会を生かし、受賞されなかった作品についても評論を試みました。

1回目

イルミネーションプロポーズ

「イルミネーションプロポーズ」

セクシーエンジニア
「限られた素材の中から頑張ってシーンを構成しているのが伺えます。」

レプトン
「もっと登場人物やこの話に至るまでの背景について詳しく描かれていれば、主人公に感情移入するきっかけとなり、作品がより良くなったと思います。
ゲームとしてではなくノベルとしての作品を目指すのであればこの点で頑張って欲しいところです。
ゲームでもノベルでも、最初の「引き」は大事なので、
『私は生まれてからこの日のことを、一生忘れないと思ったことはない』
のように意味が逆になってしまうようなケアレスミスは勿体無いです。
ゲームとしてプレイヤーを楽しませるのならば、プロポーズに至るまでの過程を描くなり、プロポーズを受けるかどうかの選択肢を作成するなどの要素を持たせると面白くなると思います。」

我、囚われし…

「我、囚われし…」

レプトン
「題材はすごく面白いです。ただ、惜しい事に文章が読み辛く読めない漢字がありました。」

ひろやん
「システム的にルビふれないですもんね。」

セクシーエンジニア
「難しい文章だと、せっかく世界観がしっかり作ってあるのに、プレイヤーが少しプレイして止めてしまうかもしれないのがもったいないなぁ。」

レプトン
「意欲的な内容で、挙げられた思想や挿話も魅力的でしたが、全体的に消化不良気味に感じました。
 登場人物の行動によってテーマを表現するなど、物語を進めることで伝えたいことを伝えるという娯楽の精神を持てば、この作品は凄いものになる可能性があります。」

ひろやん
「たしかに。個人的にはすごく面白い題材だったので高めの点数をつけたんですけど(笑)、全体評価としては少し足りなかったです。」

黒ポメ
「以前の作品『たまごどんぶり』は一般向けの良作でしたね。あれは記憶に残る作品でした。」

レプトン
「作者が作ろうとしている作品の方向性がゲームコンテストと合わなかった面もありますね。」

天使のユーウツ-Shahar Mizmor-

「天使のユーウツ-Shahar Mizmor-」「ブルーローズの花束を」

レプトン
「歌やボイス、立ち絵のバリエーション、エンディングテーマ、イベント画など、ここまで凝っているのは驚きでした。
 だけど、主人公がメティスのどこを好きになったのかよくわからないんですよ……」

ひろやん
「天使のユーウツですね。」

黒ポメ
「たしかにメティスは可愛いです!」

セクシーエンジニア
「他にも、キールを殺されたのに「リリアンにも事情があったんだね」でメティスが納得するのはちょっと動機が弱いかもしれませんね。」

レプトン
「天使のユーウツは、私のシナリオ・ゲーム性の採点では高得点(シナリオ40点・ゲーム性10点)なので決して作品の評価が低いわけではないですが、惜しいところが多かったです。
「ブルーローズの花束を」にも言える事ですが、世界観の設定と出来事の時系列について揺らがない様に構成を整える事が大事です。
 例えば、
「天使のユーウツ」では
・S級とA級天使の二人掛かりなのにA級堕天使のほうが強い理由。
・転生した赤ん坊の成長度や話しぶりから察するにリリアンの堕天やキールの死はせいぜいここ1~2週間の出来事のようなのに、ずっと前の出来事のように振舞っているメティスの様子との違和感。

「ブルーローズの花束を」では
・モニカが死んだのが10年前だったり15年前だったり十数年前だったりとあいまい。
・パティが祭壇に祈りを捧げれば崩壊を食い止められることは、帝国の人間は誰も知らなかったのか。
 知っていたら殺そうとは思わないはず。
 知らないにしても、なぜ今までパティはやらなかったのか。
・ギリアムは自殺したのか処刑されたのか。
 処刑だった場合、ギリアムは何が不満で反乱軍を興していたのか?
 王が圧制を敷いたのはモニカの死によって精霊の加護が失われたことが原因。
 ということはモニカ存命中は平和だったはず。

等があげられます。
ゲーム自体は凝っているので、構成をしっかりまとめれば良い作品になると思います。」

人待ち桜

「人待ち桜」「四ツ夜怪談」

ひろやん
「『まぜまぜのべる』に投稿されている作品を初期から並べてみると面白いですね」

レプトン
「他の作品もそうですが、『人待ち桜』も文章に安定感があります。
 キャラクターもよく描けていて考えられた筋書きであることが伺えます。
 独創的な作品ではありませんが綺麗にまとまっています。
 ただゲーム性を考えると、分岐にあまり意味がない様に思えます。
 分岐によって得られる心理描写や情報の差が少ないです。
 もっと展開に解釈の差が出たり、片方の人物にはあずかり知らぬ事情があったり、
 意外な心理描写があったりと、展開自体に違いがあればもっと面白くなったと思います。」

黒ポメ
「『四ツ夜怪談』になるとその点が大分変わりますね」

レプトン
「ひとつひとつのエピソードは演出も含めてよくできています。
 分岐にも意味があります。
 ただ、とおるちゃんはなぜ回りくどい怪談を4日に分けて配信したのか。
 犯人に気づかれないための偽装だったにしても4日に分ける必要がないように感じます。
 タイトルの語呂合わせのためなのはわかりますが、設定にも必然性がほしいです。」

セクシーエンジニア
「小学生が考えた怪談にしては内容が少し難しいかなとも思いました。」

レプトン
「ボイスが効果的に使われているのは高評価です。」

セクシーエンジニア
「すみません、夜にプレイしていたので恐くてボイス聴いていません…。」

ツンのいる日常22

「ツンのいる日常22」

ひろやん
「ツンは知っていても、牡鹿遊兎はみんな知らないよな(遠い目)」

黒ポメ
「連載ものではサイト内で一番長いですからねえ。」

セクシーエンジニア
「4コマ的なショート作品は構成が単純な分、
 少ない場面・セリフなどで纏める事は難しいのではないでしょうか。
 それをサイト内で連載し続けているのはすごい!」

レプトン
「ギャグがきちんと面白いです(笑)。
 演出も上手ですね。
 手持ちのグラフィックに適したものがなかったところを逆にギャグにしたり、
 鬼を色分けで済ませてしまうのも思い切りがあります。」

ひろやん
「レプトンさんの評点ではシナリオ41点ですか。トータル点数も193点で高得点ですね。」
(※レプトンシナリオ点数上位:鬼飼55点、妖しの杜50点、ソウルネット48点、四ツ夜怪談43点、天使のユーウツ40点)

レプトン
「読んでいて楽しい、というのは大きいです。」

黒ポメ
「お姉さんがいいキャラだったので、最初だけなのは勿体無かったです。」

レプトン
「酒呑み作戦がすんなりはまってしまったのは意外性がないので、
 もうひとひねりあったら良かったですね。
 そこで選択肢があったほうがもっと楽しくなる内容だと思います。」

夢見る女の子

「夢見る女の子」

セクシーエンジニア
「雰囲気がほのぼのして可愛いんですよね。」

レプトン
「そうですね、全体的にほのぼのしていてかわいいキャラ、
 スタッフロールの丸文字など、全体的な雰囲気づくりはいいと思います。
 会話中心でテンポもいいです。
 なので、できるだけテンポを崩さないようにする必要があります。
 たまに入る説明用の地の文はほとんど会話の中で説明できる内容です。
 あまり地の文を使わずに会話の中に説明したい内容を織り交ぜてしまう事で、
 読みやすくなると思います。」

黒ポメ
「キャラについては、チェリは説得に素直すぎるので、
もっと躊躇ったり断ったりすれば話に広がりが出るように思います。」

狂談冬夜

「狂談冬夜」

ひろやん
「未完成作品なので、それを前提とした評論になりますね。」

黒ポメ
「個人的に、この文章は勢いがあっていい感じです。」

レプトン
「そうですね。父親の伏線、少女の正体、今後の展開、すべての設定が続編を匂わせて終わっています。
 レプトン杯では、この作品単体で評価するので、やはり辛い点数をつけざるを得ないです。
 引き込まれる導入を作ろうとする気概を感じるし、文章にも勢いがあります。
 しかしそのぶん荒削りで、見直しされていない所が目に付いたのが惜しいです。
 作者の長所である勢いを持たせながら、
 シナリオの完成度を高める努力をすると更に良くなるのではないでしょうか。」

バイトを探そう!

「バイトを探そう!」

セクシーエンジニア
「いろいろと話を広げられるネタですね。」

レプトン
「面接先ごとに職種ならではの質問が来るなどの差を付け、
 この作品の構成や設定を十分に生かせるような工夫をすれば
 さまざまな展開を出せると思います。
 繰り返し気楽にプレイできる構成なのは評価できます。
 どれを選んでも書店が入っているので、せめてあと一種類は欲しかったですね。
 ループするごとに一週間経過するルートがありますが、進め方次第で矛盾が発生してしまいました。
 丁寧に作りこめば、もっと良くなると思います。」

如何でしたでしょうか。
賛否両論あるかと思いますが、作品内容に踏み込んだ評論をさせていただきました。
本来全作品について評論する予定はなかったのですが、
レプトン様のご好意により今回は特別に評価をいただきました。

今後「まぜこん」につきましても、作者やプレイヤーのご参考になる様できるかぎり審査内容を公開し、
採点につきましてもプレイヤーが参加できる体制にしていきたいと考えております。

あらためてコンテストに参加された皆様、サイト会員の皆様、
そして審査を快く引き受けて頂きましたレプトン様に感謝申し上げます。

特別審査員
株式会社レプトン
代表取締役 真弓 創
主な制作実績
「遠隔捜査-真実への23日間-(PSP)」
「99のなみだ(ニンテンドーDS)」
他多数。